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柵 [Stitches of jotting]

『しがらみ』と読みます。

『夕戯'97・柵』のテーマ曲であるこの作品は、平安時代後期の歴史文学「大鏡」にその題材を求めています。
藤原一族の陰謀により、時の右大臣・菅原道真は大宰府に左遷=流刑されることになり、道真は自らの理解者であった亭子(ていじ)の帝(第57代宇多天皇)に歌を送り、流刑撤回へのわずかな望みを託したのでした。

流れゆく我は水屑(みくづ)となりはてぬ君しがらみとなりてとどめよ

しかし、亭子の帝は醍醐天皇に譲位しており、その醍醐天皇も政治的発言力を失い、既に藤原氏の天下となっていたわけでして、道真は長年住んだ家を去る自分の身と、散り散りになる家族をともに案じ、

東風吹かばにほひおこせよ梅の花あるじなしとて春を忘るな

の歌を詠んだのでした。これらの2首は「大鏡」のなかでも最も有名な部分ですが、高校の古典の授業で「流れゆく…」についての解説に鮮烈な印象を受け、それを数年後には舞台のストーリーに反映させたのでした。当初はブラス・オルゴール・ギターによるシンプルなアレンジでしたが、『夕戯Ⅱ・棧』の準備期に、卓人氏による壮大なオーケストレーションがなされました。『夕戯'97・柵』において1・2番を冒頭に、3番はエンディングでという使い方をしていたのですが、最終的にはこれを1本にまとめて再アレンジして頂いたのが完成版。
私的には様々にアレンジしつつ、初期の携帯(いわゆるガラケー)の着信音・ポケットピカチュウのアラーム音などに用いつつ、現在でもスマホの着信音はデフォルトでこれにしておりまして。『針鼠』『同時代WALKERS』と共に、現在に至る制作活動の根幹をなす作品であります。

(作品番号240、1997年)

※というわけで、これまでの全作品を振り返るブログ連載も、このあたりで折り返し点を過ぎたところですが、所用にて暫くの間休載となります。
1997年の『笑う僕』から2019年の『from the sign to the end』、および2020年のコラボ4曲『新挑戦』『冬タス君』『human robot』『奇跡の星』の解説は、今年の冬以降に再開の予定です。ごきげんよう!
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